みなさん、国際園芸博覧会というイベントが2027年(令和9年)に横浜市で行われることをご存じですか?
博覧会と聞くと2025年(令和7年)の大阪・関西万博をイメージされると方が多いと思います。
今回は園芸博覧会とはどういう催しなのか、その概要と歴史、そして2027年の国際園芸博覧会についてざっくりとですが紹介したいと思います。
国際園芸博覧会とは?
概要
令和5年度「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の 準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」には、
- 国際的な園芸文化の普及や花と緑のあふれる暮らし、気候変動などの社会的な課題解決等への貢献を目的に開催される博覧会
- 国際園芸家協会(AIPH)の承認を得て行われる
と記載されており、少し分かりやすくすると、
「世界中の園芸・造園の文化を盛んにし、身の回りに花や緑がたくさんある生活を送りながら、気候変動などの課題解決に繋げることを目的としたイベント」とも言えます。
【参考リンク】国土交通省ホームページ
- 2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の準備及び運営に関する基本方針・関連事業計画を決定 https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi10_hh_000461.html
- 2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027 )の準備及び運営に関する基本方針(本文)https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001626513.pdf
国際園芸家協会(AIPH:Association Internationale des Producteurs de l’Horticulture)
「国際園芸家協会(AIPH)」についてまとめてみました。
【国際園芸家協会とは?】
- 本部 :オランダ・ハーグ
- 設立年:1948年
- 目的 :国際的レベルで園芸生産者の利益と園芸技術の向上を図る
- 組織 :ヨーロッパの園芸家たちによって設立された非営利団体
- 構成 :世界60カ国近くの園芸・造園団体等
- その他:日本では日本造園建設業協会が会員
種類
国際園芸博覧会には、A1・B・C・Dの4つの区分があります。
世界園芸博覧会(A1)
- 開催期間 :3~6カ月間
- 最小展示面積:50ha
- 参加国数 :最低10か国以上
- 必要な承認 :国際園芸家協会(AIPH)&国際博覧会協会(BIE)の2つの協会からの承認
- 禁止事項 :登録博覧会(登録博)との重複
国際園芸博覧会(B)
- 開催期間 :3~6カ月間
- 最小展示面積:25ha
- 参加団体数 :最低10団体以上
国際園芸店(C)
- 開催期間 :4~30日間
- 最小展示面積:0.6ha
- 参加団体数 :最低6団体以上必要
国際園芸見本市(D)
- 規定なし
- 園芸業界が参加
A1クラスにもなると、開催期間・参加する国・面積など他のクラスと比べて総合的に規模が大きいことが分かります。
◎補足:博覧会の種類
- 登録博覧会(登録博):総合的なテーマを掲げて開催される博覧会
- 認定博覧会(認定博):明確なテーマ(例:国際園芸博覧会など)を掲げて開催される博覧会
過去の国際園芸博覧会の歴史
日本が参加する以前の開催歴(※A1クラスでの開催)
開催年 | 名称(国名) |
1960 | フロリアード・ロッテルダム(オランダ) |
1963 | IGA・ハンブルグ(ドイツ) |
1972 | フロリアード・アムステルダム(オランダ) |
1973 | IGA・ハンブルグ(ドイツ) |
1982 | フロリアード・アムステルダム(オランダ) |
1983 | IGA・ミュンヘン(ドイツ) |
1984 | リバプール国際庭園博覧会(イギリス) |
日本の参加以降の開催歴とテーマ(※A1クラスでの開催)
開催年(会期) | 名称(国名) | テーマ |
1990 (4/1~9/30) | 国際花と緑の博覧会【大阪花博】 (日本・大阪) | 自然と人間の共生 |
1992 (4/9~10/12) | フロリアード・ハーグ・ズータメア(オランダ) | 品質、技術、科学および管理の分野で継続的な 更新プロセスに関与する園芸 |
1993 (4/23~10/27) | IGA・シュトゥットガルト (ドイツ) | 都市と自然‐責任あるアプローチ |
1999 (5/1~10/30) | 昆明世界園芸博覧会 (中国) | 人間と自然‐21世紀への行進 |
2002 (4/5~10/20) | フロリアード・ハールレマミーア(オランダ) | 21世紀の生活の質におけるオランダ園芸と 国際園芸の貢献 |
2003 (11/1~1/31) | IGA・ロストック (ドイツ) | シーサイドパーク 新しい花の世界 |
2006~2007 (10/7~4/5) | チェンマイ国際園芸博覧会 (タイ) | 人類への愛 |
2012 (4/23~10/21) | フロリアード・フェンロー (オランダ) | 自然と調和する人生 |
2016 (4/23~10/30) | アンタルヤ国際園芸博覧会 (トルコ) | 花と子供達 |
2019 (4/29~10/7) | 北京世界園芸博覧会 (中国) | 緑の生活、美しいふるさと |
2022 (4/14~10/9) | フロリアード・アルメーレ (オランダ) | 成長する緑の都市 |
2023~2024 (10/2~3/28) | ドーハ国際園芸博覧会 (カタール) | 緑の砂漠 よりよい環境 |
今後の予定(A1クラスでの開催)
開催年 | 名称(国名) |
2027 | 横浜国際園芸博覧会(日本) |
2029 | ウッチ国際園芸博覧会(ポーランド) |
1990年の大阪花博以前は、オランダやドイツなどの欧州圏のみで開催されていましたが、 アジア圏で初めて行われた大阪花博を機にアジア、中東諸国へと開催地域が拡大していったことが分かります。
2027年国際園芸博覧会
テーマ&サブテーマ
テーマ
「幸せを創る明日の風景~Scenery of the Future for Happiness~」
- 植物の自然資本財としての多様な価値を再認識し、持続可能な未来と誰もが取り残されない社会の形成
- 自然との共生や時間・空間を含めたシェアがもたらす幸福感を新たな明日の風景として可視化していくことを目指す
サブテーマ
〇自然との調和 <Co-adaptation>
→グリーンインフラによる持続可能で安全かつ魅力のある都市の土台作りを提案
〇緑や農による共存<Co-existence>
→緑や農を介してともに分かち合い支え合う在り方を提案
〇新産業の創出 <Co-creation>
→新たな価値を創造する産業の創出・育成を提案
〇連携による解決 <Co-operation>
→多様性を尊重する社会の実現に寄与
開催場所
旧上瀬谷通信施設(神奈川県横浜市)
開催期間
2027年3月19日(金)~ 2027年9月26日(日)
博覧会区域
全区域約100ha(会場区域80ha)
クラス
A1(最上位)クラス(AIPH承認+BIE認定)
【参考リンク】公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会
- 公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会ホームページ https://expo2027yokohama.or.jp
- 開催概要 https://expo2027yokohama.or.jp/about/overview/
まとめ
日本では、大阪花博以来37年ぶりに開催されるということで、今後少しずつ話題に上がることが増えていくと思われます。
そこで今回は園芸博覧会の概要と歴史、そして2027年の国際園芸博覧会について、ざっくりとですが紹介させていただきました。
今後、開催に向けての新しい情報がわかり次第、記事を更新していきたいと思います。
以上です。
ご覧いただきありがとうございました。