家庭菜園

【家庭菜園編】 米ぬかと3つの材料で簡単にできる『ボカシ肥料』の作り方

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最近では健康志向の高まりと同時に、玄米げんまい発芽玄米はつがげんまいが白米よりも栄養価が高いということで注目が集まっています。

中でも自宅用精米機は、玄米げんまいを自分好みに精米することができるため利用している方も多いのではないでしょうか。

玄米げんまいを精米すると必ず米ぬかが出ると思われますが、そのまま米ぬかを捨ててしまってはいませんか?

もし家で野菜などを育てていたら、米ぬかを肥料として活用してみると良いかもしれません。

そこで今回は、米ぬかと3つの材料でできる「ボカシ肥料」の作り方についてご紹介したいと思います。

こんな方におすすめです。

  • 米ぬかを有効活用したい方
  • 有機肥料ゆうきひりょうに興味のある方
  • 自分で米ぬかボカシ肥料を作りたい方

ボカシ肥料について

ボカシ肥料とは、植物を栽培する際に、土に栄養分として混ぜる有機肥料ゆうきひりょうのことです。

主な作り方

ボカシ肥料は米ぬかや油かす、もみ殻、鶏糞けいふん牛糞ぎゅうふんなどといった植物や動物由来の有機質資材ゆうきしつしざいに土と納豆菌・乳酸菌などの発酵促進剤はっこうそくしんざいなどを加えて発酵はっこう分解ぶんかいをさせて作ります。

ボカシの由来

「ボカシ」の由来は、家畜の糞尿ふんにょうや米ぬかなどと一緒に山や田畑の土と混ぜて発酵はっこう分解ぶんかいさせる(土と混ぜることで肥料分を薄める)ことを「ぼかす」と呼ぶことから来ています。

ボカシ肥料で利用する菌

細菌には好気性細菌こうきせいさいきん嫌気性細菌けんきせいさいきん通性つうせい偏性へんせい)という種類がいます。

好気性細菌こうきせいさいきん嫌気性細菌けんきせいさいきん通性つうせい偏性へんせい

  • 好気性細菌こうきせいさいきん  :酸素を利用しながら生育するのことです。(例:納豆菌)
  • 通性嫌気性細菌つうせいけんきせいさいきん酸素があってもなくても生育することができる細菌のことです。(例:ブルガリア菌)
  • 偏性嫌気性細菌へんせいけんきせいさいきん酸素のない環境で生育する細菌のことです。(例:ビフィズス菌)

納豆菌と乳酸菌について

今回はボカシ肥料の材料として、納豆菌とブルガリアヨーグルトに含まれている乳酸菌(ブルガリア菌)を使用しています。

納豆菌

納豆菌は、酸素を必要とする好気性細菌こうきせいさいんの仲間で、45℃~70℃の間で活発的に繁殖します。また、100℃の熱湯や-35℃の低温の環境下でも死滅しめつしないほど生命力が高い菌です。

乳酸菌

乳酸菌であるブルガリア菌は、酸素があってもなくても生育することができる通性嫌気性細菌つうせいけんきせいさいきんの仲間であり、37℃~45℃の間で活発的に繁殖はんしょくします。

納豆菌(好気性細菌こうきせいさいきん)と乳酸菌(通性嫌気性細菌つうせいけんきせいさいきん)の2種類の菌の力を利用してボカシ肥料を作ります。

米ぬかについて

米ぬかとは、玄米を白米に精米した際に出る外皮がいひけずった粉のことです。

米ぬかには植物にとって必要不可欠な「窒素」と「リン酸」がバランスよく含まれており、肥料の材料としても最適です。

米ぬかの入手方法

米ぬかの入手方法として、冒頭の家庭用精米機以外に、ホームセンターでの購入地方などではコイン精米機の隣に米ぬかボックスが設置されている所もあるため、そこで無料でもらうことができます。

米ぬかを直接まくと?

米ぬかを直接土にまくと、発酵はっこう分解ぶんかいするために微生物びせいぶつが土壌中で急激に増えます

微生物びせいぶつの働きによって土壌中で発酵熱はっこうねつやガスが発生したり、微生物びせいぶつ土壌中どじょうちゅう窒素ちっそを吸収することで、植物が生育するのに必要な窒素が足らなくなってしまう「窒素飢餓ちっそきが」につながるなど、植物の生育に悪影響を及ぼすことがあります。

またハエなどの害虫がいちゅうが寄ってくることもあるため、特にプランター栽培などの場合には、米ぬかを直接土にまくのは避けましょう。

材料・備品

材料

  • 米ぬか(600g)
  • ぬるま湯(400g)
  • 食後の納豆パック(納豆菌)
  • 食後のヨーグルトパック(乳酸菌)

備品

  • 容器
  • 新聞紙
  • ビニール手袋

作り方

1.敷いた新聞紙の上に容器を置き、容器内に半分ほど米ぬかを入れます。(残りの米ぬかは水分量を調節するために残しています。)

2.納豆パックの中身をぬるま湯でいてから容器に加えます。

3.ヨーグルトパックの中身も同様にぬるま湯でいてから容器に加えます。

4.すべての材料を容器に加えたら、手で混ぜます。(肌が敏感びんかんな方はビニール手袋などを使用した方が良いです。)

5.水分が多ければ、残りの米ぬかを加えます。

6.納豆菌は好気性細菌こうきせいさいきんですので、米ぬか全体がフワフワになるように少し高い位置からパラパラ落しながら混ぜます。

7.米ぬかを軽く握って、固まるぐらいになれば完了です。

8.混ぜ終えた後の米ぬかです。

8.混ぜ終えた米ぬかの上に新聞紙を被せて、玄関などの涼しい所に置いておきます。

9.米ぬかの発酵はっこうが終わるまでそのままにしておきます。(約一週間)

10.発酵はっこうが終わった後の米ぬかは水分を含んで固まっているため、乾燥かんそうさせてから砕いて粉状にします。

11.砕いて粉状になったら、米ぬかボカシの完成です。

保管方法と使い方

保管方法

  • 完成した米ぬかボカシは紙袋などに入れて涼しい所で保管します
  • ボカシ肥料はなるべく早めに使い切りましょう。

使い方

  • 米ぬかボカシは、元肥もとごえ追肥ついひなどで使用します。

まとめ

今回は、米ぬかを使ったボカシ肥料の作り方についてご紹介しました。

完成した米ぬかボカシからは、味噌みそやチーズのような香りがしました。

米ぬかは簡単に入手することができるため、一度ボカシ肥料を作ってみてはいかがでしょうか?

今回は以上です。

ご覧いただきありがとうございました。

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